秋葉原ラボの高野です。2016/07/29に日本心理学会第80回大会で村瀬美月氏、鈴木麗璽准教授、有田隆也教授(共に名古屋大学大学院情報科学研究科)との共同研究が発表されましたので、それについてご紹介いたします。
ソーシャルゲームでは、多くのヒトが思い思いに自由に行動した結果が詳細に記録されているため、ヒト行動の研究に有用です。これまで私たちはガールフレンド(仮)のデータを用いたヒトの協調行動について研究してきました(以下の関連発表を参照のこと)。本研究ではヒトの協調行動にコミュニケーションのタイプ(1対1、1対多、掲示板)が与える影響について知ることを目的として、そのデータを分析しました。その結果、1対1と1対多のコミュニケーションは協調行動に正の影響を与えることがわかりました。これはコミュニケーションの性質(時間的・心理的なコストなど)によってを効果が異なることを示唆します。また、社会関係の構築・維持におけるコミュニケーションの効果についても分析した結果を報告しました。
発表
- M. Murase, M. Takano, R. Suzuki, and T. Arita, "A statistical analysis of play data in a social network game: Effects of communication on cooperative behavior", 31st International Congress of Psychology (ICP2016), Poster Presentation in Japanese, RC-05-2, 2016.
関連発表
1. M. Takano, K. Wada, and I. Fukuda, "Reciprocal Altruism-based Cooperation in a Social Network Game", New Generation Computing, 34, pp. 257-271, 2016.
2. M. Takano, K. Wada, and I. Fukuda, "How Do Newcomers Blend into a Group?: Study on a Social Network Game", 3rd International Workshop on Data Oriented Constructive Mining and Multi-Agent Simulation (DOCMAS) & 7th International Workshop on Emergent Intelligence on Networked Agents (WEIN) (workshop at WI-IAT 2015), 2015.
3. M. Takano, K. Wada, and I. Fukuda, "Environmentally Driven Migration in a Social Network Game", Scientific Reports, 5, 12481; doi: 10.1038/srep12481 (2015).
4. 高野雅典, 和田計也, 福田一郎, "ソーシャルゲームプレイヤーの協調行動の分析", 人工知能, Vol. 30, No. 1, pp. 74-82, 2015.
参考